2012年6月29日

先端巨大症および下垂体性巨人症の治療薬 「ソマチュリン®皮下注」の製造販売承認取得について

帝人ファーマ株式会社

帝人ファーマ株式会社(本社:東京都千代田区、社長:荒尾 健太郎)は、本日、先端巨大症および下垂体性巨人症の治療薬「ソマチュリン®皮下注」(一般名:ランレオチド酢酸塩)の製造販売承認を取得しました。本剤は今冬より販売開始予定です。

先端巨大症および下垂体性巨人症は、脳下垂体にできた腫瘍から過剰に分泌される成長ホルモンが原因で、鼻、口唇、手足など身体の先端部や心臓の肥大、高身長や手足の異常な成長など、さまざまな症状を引き起こす疾病です。そのまま放置すると、糖尿病や高血圧、心筋梗塞、脳血管障害、睡眠時無呼吸症候群など、さまざまな合併症を併発し、一般の健康な人に比べ、死亡リスクが2~5倍に高まり、平均寿命が約10年短くなるとされている重篤な疾病です。

本疾病の治療法としては、原因である腫瘍の摘出手術が一般的ですが、腫瘍が大きく手術が難しい場合や、手術後も成長ホルモンの分泌量が過剰である場合には、薬物治療や放射線治療が施されます。薬物治療としては、ソマトスタチン誘導体*を投与し、症状の改善を図る治療法がありますが、現在、国内で使用できるソマトスタチン誘導体は1種類のみで、新たな治療選択肢が求められていました。

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    ソマトスタチン誘導体: 成長ホルモンの分泌を抑制するホルモン「ソマトスタチン」に似せた物質。

「ソマチュリン®皮下注」は、イプセン社(本社:フランス、パリ)が開発・製造したソマトスタチン誘導体で、既に世界54以上の国・地域で承認を取得しており、当社は日本における本剤の販売権を有しています。長期にわたり効果が持続するため、4週間に1度の投与が可能です。また、従来の薬剤と異なり、あらかじめ薬剤が注射器に充填された状態で包装・製品化されているため、投与時の煩雑な薬剤調製も不要です。

このたびの承認取得により、「ソマチュリン®皮下注」が先端巨大症および下垂体性巨人症治療における新たな選択肢として、患者さんのQOL(Quality of Life)向上に貢献できると期待しています。

  • 商標「ソマチュリン®」はイプセン社の登録商標です。

当件に関するお問い合わせ先

  • 報道関係のお問い合わせ
    帝人株式会社 広報室 (東京)03-3506-4055 (大阪)06-6268-2763
  • その他のお問い合わせ
    帝人ファーマ株式会社 学術情報部 03-3506-4053

先端巨大症および下垂体性巨人症について

  1. 「先端巨大症」は、脳下垂体にできた腫瘍が原因で、骨や筋肉の成長を促すホルモンが過剰に分泌される代謝系疾患の1つで、額やあごの突出、鼻、口唇、手足など身体の先端部や心臓の肥大、頭痛、視野狭窄など、さまざまな症状を引き起こします。また、成長期に罹患すると、高身長や手足が異常に成長することから「下垂体性巨人症」と診断されます。
  2. 症状の進行速度は非常に遅いため、患者本人や周囲も罹患していることに気付かないことが多い疾病ですが、合併症として、糖尿病や高血圧などの代謝異常や、狭心症、心筋梗塞、脳血管障害、睡眠時無呼吸症候群などにつながる恐れがあります。また、甲状腺腫や悪性腫瘍も伴いやすく、一般の健康な人に比べ、死亡リスクが2~5倍に高まり、平均寿命も約10年短くなるとされている重篤な疾病です。
  3. 国内の患者数は、潜在患者も含めおよそ1万人とされており、医療費が公費助成される難病に指定されています。
  4. 本疾病の治療法としては、原因である腫瘍の摘出手術が一般的ですが、腫瘍が大きく手術が難しい場合や、手術後も成長ホルモンの分泌量が過剰である場合には、薬物治療や放射線治療が施されます。

帝人ファーマの代謝・循環器系領域における取り組みについて

  1. 当社が自社創製した「フェブキソスタット」(一般名)は、世界で約40年ぶりとなる痛風・高尿酸血症治療剤で、世界戦略製品として大型化することを期待しています。既に海外の導出先企業を通じて、2009年3月以降、北米、欧州、韓国、台湾など20カ国以上で販売を開始しており、日本においても2011年5月より販売を開始しています。さらに、中国、メキシコ、中東、北アフリカなど、世界各国で独占販売契約を締結しており、こうしたグローバル展開を進めることで、2014年度までには世界約60カ国での上市、海外導出先企業の売上高を含め、ピーク時に1,600億円の売上を目指しています。
  2. また、他に高血圧や糖尿病などを治療する代謝・循環器系領域の医薬品としては、動脈硬化性疾患のリスクを高めるメタボリックシンドロームや糖尿病の重要な治療ターゲットである高トリグリセライド血症を改善する「トライコア®」や「ソルミラン®」、狭心症や心筋梗塞の冠動脈を広げる作用を持つ経皮吸収型テープ剤「アンタップ®」などがあります。

イプセン社(Ipsen)の概要

イプセン社は、神経・内分泌・泌尿器腫瘍・血友病を4つの柱として、グローバルに事業を展開している医薬品企業です。グループ全体の売上高は約11億ユーロ(2011年)、従業員数は4,500名に達しています。また、2011年には売上高の約23%に相当する約2億5,000万ユーロを研究開発に投じています。詳細は、イプセン社ホームページをご覧ください(http://www.ipsen.com