2012年10月29日

手術に代わる新たな治療選択肢 腰椎椎間板ヘルニア治療薬の臨床試験を開始

帝人ファーマ株式会社

帝人ファーマ株式会社(本社:東京都千代田区、社長:荒尾 健太郎)は、このたび米国において、手術療法に代わる革新的な腰椎椎間板ヘルニア治療薬「KTP-001」の臨床試験を開始します。

背景・経緯

  1. 腰椎椎間板ヘルニアは、腰椎の椎間板の一部が突出して脊髄の神経を圧迫することにより、腰や下肢に激しい痛みやしびれを引き起こす疾患です。患者数は、日本国内で約100万人、欧米4カ国(米国、フランス、ドイツ、イギリス)で400万人以上に及ぶと言われており、現在も増加傾向にあります。また、働き盛りの青壮年層(30~40歳代)の男性に発症しやすいとされています。
  2. 現在、腰椎椎間板ヘルニアに対しては、薬剤でヘルニアを退縮させる根本的な治療法が存在せず、鎮痛剤を服用しながら時間をかけてヘルニアの自然退縮を待つ保存療法と、ヘルニアを外科的に取り除く手術療法があります。その中で手術療法については、症状の改善に効果的であるものの、患者さんの身体的負担が大きいことから、新たな治療選択肢が求められていました。

「KTP-001」について

  1. 「KTP-001」は、山梨大学大学院の 波呂(はろ)浩孝 教授と横浜市立みなと赤十字病院の 小森 博達 副院長の発明に基づき、当社と一般財団法人化学及血清療法研究所(本所:熊本県熊本市、理事長:宮本 誠二)が共同で開発・創製した薬剤で、生体内でヘルニアの自然退縮に関わる酵素(マトリックスメタロプロテアーゼ)と同じ構造のタンパク質を椎間板に直接注入することにより、ヘルニアの退縮を促します。
  2. 注射剤である本剤を使用する治療は、手術療法に比べて患者さんの身体的負担を抑えながらヘルニアを退縮させることができるため、手術療法に代わるヘルニアの根本的な治療法となることが期待されます。また、入院をほとんど必要としないことから、患者さんの社会的・経済的な負担も低減することができます。
  3. 本剤は、ヘルニアを選択的に分解・退縮させる生体内の酵素であるマトリックスメタロプロテアーゼと同じ構造を持つヒト型タンパク質であることから、アレルギー反応などの副作用のリスクを低下させることが期待されます。

今後の展開

今後は、米国において臨床第Ⅰ/Ⅱ相試験を実施するとともに、海外における本剤のライセンス先企業について検討を進めていきます。また、米国での臨床試験の状況を踏まえ、日本国内における臨床試験の実施についても検討する予定です。

当件に関するお問い合わせ先

帝人株式会社 広報室 (東京)03-3506-4055 (大阪)06-6268-2763