2020年12月4日

A型ボツリヌス毒素製剤「ゼオマイン筋注用」の販売開始

帝人ファーマ株式会社

 帝人ファーマ株式会社(本社:東京都千代田区、社長:渡辺 一郎)は、本日より、A型ボツリヌス毒素製剤「ゼオマイン筋注用 50単位、100単位、200単位」(一般名:インコボツリヌストキシンA)の販売を開始します。
 帝人ファーマは、今後もアンメットニーズの高い疾患に対して新たな治療選択肢を提供することにより、患者さんのQOL向上に貢献していきます。

1.背景・経緯

  1. 帝人ファーマは、これまで骨粗鬆症治療剤などの医薬品や、超音波骨折治療器などにより、筋骨格系疾患に対するソリューションを提供してきました。また、脳卒中後遺症などによる運動機能障害の改善を支援するリハビリ用として、歩行神経筋電気刺激装置や上肢用ロボット型運動訓練装置などの製品を展開してきました。
  2. こうした中で帝人ファーマは、2017年に独・メルツ社から、本剤の日本国内における共同開発・独占販売権を取得し、上肢痙縮の新たな治療選択肢を目指して開発を進めてきました。そして、本年6月に製造販売承認を取得し、11月18日に薬価収載となり、本日、販売を開始することになりました。
  3. 適応症である上肢痙縮は、主に脳卒中の後遺症として、上肢の筋緊張の増加や伸張反射の興奮性亢進により生じる上位運動ニューロン症候群の1つです。主な症状は、運動麻痺、屈筋反射亢進、病的反射出現、知覚障害などで、患者さんの日常生活における動作の妨げとなります。
  4. 上肢痙縮の治療としては、リハビリテーション、経口筋弛緩剤、A型ボツリヌス毒素製剤療法を含む神経ブロック療法などが行われています。

2.「ゼオマイン筋注用 50単位、100単位、200単位」について

  1. A型ボツリヌス毒素注射剤である「ゼオマイン筋注用 50単位、100単位、200単位」は、末梢のコリン作動性神経終末に作用し、神経伝達物質であるアセチルコリンの放出を阻害することで随意筋の筋力を弱め、筋緊張状態を緩和します。
  2. 本剤の特徴は、ボツリヌス菌(Clostridium botulinum)により産生されるA型ボツリヌス毒素から複合タンパク質を取り除き、神経毒素のみを有効成分としていることで、中和抗体の産生により効果が減弱する可能性の低下が期待されています。
  3. 国内第Ⅲ相臨床試験では、手関節の屈曲のMAS(Modified Ashworth Scale)スコア(*)に有意な改善が認められています。
    (*)MASスコア:痙縮患者の四肢関節における他動運動の抵抗量を評価するために用いられている臨床的評価方法

【 製品概要 】

販 売 名 「ゼオマイン筋注用 50単位」
「ゼオマイン筋注用 100単位」
「ゼオマイン筋注用 200単位」
一 般 名 インコボツリヌストキシンA
剤   形 注射剤(バイアル)
効能・効果 上肢痙縮
用法・用量

通常、成人にはインコボツリヌストキシンAとして複数の緊張筋注)に合計400 単位を分割して筋肉内注射する。1回あたりの最大投与量は400単位であるが、対象となる緊張筋の種類や数により、投与量は必要最小限となるよう適宜減量する。また、再投与は前回の効果が減弱した場合に可能であるが、投与間隔は12週以上とすること。なお、症状に応じて投与間隔は10週まで短縮できる。

注)緊張筋:橈側手根屈筋、尺側手根屈筋、浅指屈筋、深指屈筋、腕橈骨筋、上腕二頭筋、上腕筋、方形回内筋、円回内筋、長母指屈筋、母指内転筋、短母指屈筋/母指対立筋 等

※「ゼオマイン」はメルツ社の登録商標です。

当件に関するお問合せ先

【 報道関係のお問合せ先 】
 帝人株式会社 コーポレートコミュニケーション部 TEL:(03)3506-4055
【 その他のお問合せ先 】
 帝人ファーマ株式会社 メディカル情報グループ TEL:(0120)189-315