2021年3月23日
「オスタバロ皮下注カートリッジ 3mg」の製造販売承認を取得
帝人ファーマ株式会社
帝人ファーマ株式会社(本社:東京都千代田区、社長:渡辺 一郎)は、「オスタバロ皮下注カートリッジ 3㎎」(一般名:アバロパラチド酢酸塩)について、骨折の危険性の高い骨粗鬆症を効能・効果として、本日、厚生労働省より製造販売承認を取得しました。
なお、本剤は、新医薬品の処方日数制限に対応する製剤を開発中であるため、現時点において上市時期は未定です。
1.背景
- 帝人ファーマはこれまで、骨・関節領域において「ワンアルファ」「ボナロン」などの骨粗鬆症治療剤や、超音波骨折治療器「セーフス」など、さまざまなソリューションの提供を通じて、患者さんのQOL(Quality of Life)向上に貢献してきました。
- 一方、現在、日本国内における骨粗鬆症の患者数は約1,300万人(出典:骨粗鬆症の予防と治療ガイドライン2015年版)と推定されており、骨粗鬆症に伴い骨折が発生した場合、ADL(日常生活動作)やQOLの低下、生命予後の悪化につながるとされています。
- そして、特に低骨密度、脆弱性骨折の既往や高齢を伴う「骨折の危険性の高い骨粗鬆症」には、短期間で骨量を増やし、骨折の発生を抑制できる薬剤が求められています。
2.「オスタバロ皮下注カートリッジ 3mg」について
- 「オスタバロ皮下注カートリッジ 3mg」は、ヒト副甲状腺ホルモン関連タンパク質(PTH related protein : PTHrP)のN末端から34個のアミノ酸配列のうち、一部を改変したポリペプチドであるアバロパラチド酢酸塩を有効成分とします。アバロパラチド酢酸塩は、骨代謝に関わる副甲状腺ホルモン1型受容体を選択的に刺激する作用を持ち、1日1回の皮下投与により、骨芽細胞の増加を介して骨形成を促進することで、骨量の増加効果が期待できます。
- 本剤については、骨折の危険性の高い骨粗鬆症の患者さんを対象とした国内および海外の臨床試験において有効性と安全性が確認されたことから、2020年5月に製造販売承認申請を行いました。
- 本剤は、ラディウス・ヘルス社(Radius Health,Inc、本社:米国マサチューセッツ州)が、骨折の危険性の高い閉経後女性の骨粗鬆症治療薬として、2017年4月に米国で承認を取得し、販売しています。
【 製品概要 】
販 売 名 | オスタバロ皮下注カートリッジ 3mg |
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一 般 名 | アバロパラチド酢酸塩 |
剤 形 | 水性注射剤(カートリッジ剤) |
効能・効果 | 骨折の危険性の高い骨粗鬆症 |
用法・用量 | 通常、成人には1日1回アバロパラチドとして80μgを皮下に注射する。なお、本剤の投与は18ヵ月間までとすること。 |
3.今後の展開について
帝人グループは持続可能な社会の実現に向け、「少子高齢化・健康志向」に対してソリューションを提供していくこととしており、新薬の上市はその柱の1つです。帝人ファーマは、今後もアンメットニーズの高い疾患に対して新たな治療選択肢を提供することで、患者さんのQOL向上に貢献していきます。
当件に関するお問合せ先
帝人株式会社 コーポレートコミュニケーション部 TEL:(03)3506-4055