2021年6月23日

「ゼオマイン®筋注用」が効能・効果の追加承認を取得

帝人ファーマ株式会社
Merz Pharma GmbH & Co.KGaA

 帝人ファーマ株式会社(本社:東京都千代田区、社長:渡辺 一郎)は、Merz Pharma GmbH & Co.KGaA(本社:ドイツ フランクフルト、社長:Philip Burchard、以下メルツ社)より日本における共同開発・独占販売権を取得し、販売しているA型ボツリヌス毒素製剤「ゼオマイン®筋注用50単位、100単位、200単位」(一般名:インコボツリヌストキシンA)について、本日、厚生労働省より「下肢痙縮」の効能または効果の追加承認を取得しました。

1.背景・経緯

  1. 帝人ファーマは、筋・骨格系疾患の患者さんのQOL(Quality of Life)向上に貢献するため、これまでにさまざまな医薬品・医療機器によるソリューションを提供してきました。また、脳卒中後遺症などによる運動機能障害の改善を支援するリハビリ用として、歩行神経筋電気刺激装置や上肢用ロボット型運動訓練装置などの製品も展開しています。
  2. こうした中で帝人ファーマは、2017年に本剤の日本国内における共同開発・独占販売権をメルツ社から取得し、2020年に上肢痙縮の効能または効果で製造販売承認を得て上市しました。そして、両社は、下肢痙縮の効能または効果の追加承認を目指し、メルツ社が日本国内で第Ⅲ相試験を実施し、帝人ファーマがその結果をもとに製造販売承認事項一部変更承認申請を行い、このたびの承認取得に至りました。
  3. このたびの承認の適応症である下肢痙縮は、主に脳卒中の後遺症として起こる筋緊張の増加や、伸張反射の興奮性亢進によって生じる上位運動ニューロン症候群の1つです。下肢筋が過度に緊張することで正常歩行が難しくなることや、体幹が不安定になることで転倒の危険性が高まるなど、患者さんの日常生活の妨げとなっています。
  4. 現在、下肢痙縮の治療としては、リハビリテーション、経口筋弛緩剤、A型ボツリヌス毒素製剤療法を含む神経ブロック療法などが行われています。

2.「ゼオマイン®筋注用50単位、100単位、200単位」について

  1. A型ボツリヌス毒素注射剤である本剤は、末梢のコリン作動性神経終末に作用し、神経伝達物質であるアセチルコリンの放出を阻害することで随意筋の筋力を弱め、筋緊張状態を緩和します。
  2. 本剤の特徴は、ボツリヌス菌(Clostridium botulinum)により産生されるA型ボツリヌス毒素から、メルツ社が開発した精製技術を用いて複合タンパク質を取り除くことにより、神経毒素のみを有効成分としていることです。これにより、中和抗体が産生されることによる効果減弱の可能性の低下が期待されています。
  3. 国内での第Ⅲ相試験では、足関節の底屈(*1)におけるMAS(Modified Ashworth Scale)スコア(*2)に有意な改善が認められています。
    (*1) 底屈: 足首の関節が足の裏の方向に折り曲がること
    (*2) MASスコア: 痙縮患者の四肢関節における他動運動の抵抗量を評価するために用いられる臨床的評価方法
  4. なお、本剤は、海外においてはメルツ社が世界70ヵ国以上で、上肢痙縮、痙性斜頸、眼瞼痙攣、顔面上部の皺または流涎症を適応症として販売しています。

【 製品概要 】

販 売 名 「ゼオマイン筋注用 50単位」
「ゼオマイン筋注用 100単位」
「ゼオマイン筋注用 200単位」
一 般 名 インコボツリヌストキシンA
剤   形 注射剤(バイアル)
今次承認の
効能・効果
下肢痙縮
今次承認の
用法・用量

<下肢痙縮>
通常、成人にはインコボツリヌストキシンAとして複数の緊張筋(*注)に合計400 単位を分割して筋肉内注射する。1回あたりの最大投与量は400単位であるが、対象となる緊張筋の種類や数により、投与量は必要最小限となるよう適宜減量する。また、再投与は前回の効果が減弱した場合に可能であるが、投与間隔は12週以上とすること。なお、症状に応じて投与間隔は10週まで短縮できる。

(*注)緊張筋:腓腹筋(内側頭、外側頭)、ヒラメ筋、後脛骨筋、長趾屈筋、長母趾屈筋など

※「ゼオマイン®」はメルツ社の登録商標です。

当件に関するお問合せ先

【 報道関係のお問合せ先 】
帝人株式会社 コーポレートコミュニケーション部 TEL:(03)3506-4055
【 その他のお問合せ先 】
帝人ファーマ株式会社 メディカル情報グループ TEL:(0120)189-315