エタネルセプトBS皮下注「TY」で治療中/治療予定の患者さん、ならびにご家族の方へ メニュー

投与中の注意点(若年性特発性関節炎(JIA)の方)

監修:
鹿児島大学 名誉教授 武井 修治 先生

副作用の予防や早期発見のために、患者さんご自身による体調管理や副作用のチェックが大切です。エタネルセプトBS皮下注「TY」を使用中に体調の変化を感じたら、次の診療日を待たずに主治医もしくは看護師、薬剤師にご連絡ください。
とくに下記のような症状が現れた場合は、すぐにご連絡ください。

  • 発熱
  • せき
  • のどの痛み
  • 息苦しい
  • 全身がだるい
  • 全身に発赤がでる
  • 頭痛
  • 便秘
  • 腹痛
  • 嘔吐
  • 鼻水
  • 鼻づまり

エタネルセプトBS皮下注「TY」の副作用

エタネルセプトBS皮下注「TY」の治療により、以下の副作用が起こる可能性があります。

おもな副作用

感染症

発熱、せき、のどの痛みなどの風邪のような症状がみられることがあります。

注射部位反応

注射をした場所に痛みや腫れ、かゆみなどの症状があらわれることがあります。

重い副作用

感染症

敗血症、肺炎、真菌などの日和見ひよりみ感染、結核などの重い感染症にかかりやすくなる可能性があります。

アレルギー反応

息苦しい、全身に発赤がでる、顔色が青白くなる、血圧が下がるなどの重いアレルギー症状があらわれることがあります。
このようなアレルギー反応は、多くの場合、エタネルセプトBS皮下注「TY」を注射して30分以内にあらわれます。

血液障害

血液中の赤血球、白血球、血小板の一部、またはすべてが減少することがあります。

脱髄だつずい疾患(多発性硬化症、ギラン・バレー症候群など)

神経をおおっている膜が壊れる病気です。

間質性肺炎

階段を登ったり、少し無理をしたりすると息苦しくなる、空咳からせき、発熱などの症状が急にあらわれたり、持続したりすることがあります。

抗dsDNA抗体の陽性化を伴うループス様症候群

自分の身体に対する抗体により、関節痛、筋肉痛、発疹などの症状があらわれることがあります。

肝機能障害

肝機能検査値(AST、ALTなど)が上昇して、発熱や全身倦怠感などの症状があらわれることがあります。

中毒性表皮壊死融解えしゆうかい症、皮膚粘膜がん症候群

全身に発赤、やけどのような水ぶくれ、ただれや発熱などの症状があらわれることがあります。

多形紅斑たけいこうはん

全身のあちこちの皮膚に赤みの症状があらわれることがあります。

抗好中球こうこうちゅうきゅう細胞質抗体(ANCA)陽性血管炎

全身の血管に炎症がおこる病気です。発熱、全身倦怠感や皮膚、肺、神経の症状があらわれることがあります。

急性腎障害、ネフローゼ症候群

腎臓の機能が急激に低下して、蛋白尿たんぱくにょう、低蛋白血症とそれに伴う脂質異常症、むくみなどの症状があらわれることがあります。

心不全

心臓の機能が低下して、動悸、息苦しい、全身がだるいなどの症状があらわれることがあります。

その他の注意すべき事項

悪性腫瘍

エタネルセプトBS皮下注「TY」との因果関係は不明ですが、悪性腫瘍の発現には注意する必要があります。

乾癬かんせん

乾癬が発現または悪化することが報告されています。症状が重い場合は、エタネルセプトBS皮下注「TY」投与を中止することもあります。

日常生活で気を付けていただきたいこと

エタネルセプトBS皮下注「TY」の治療により感染症にかかりやすくなるので、日常生活では以下のようなことに気をつけてください。

 日ごろから手洗い、うがいを習慣づける

 バランスのとれた食事と十分な睡眠をとる

 なるべく人混みを避け、
外出時にはマスクを着用する

 規則正しい生活を送る

 無理をせず、疲れを感じたら十分な休息をとる

 不活化ワクチン(インフルエンザワクチン
など)については、積極的に接種する

ご家族にお願いしたいこと

  • 自宅に感染症を持ち込まないようご注意ください。また可能であれば積極的にワクチンを接種しましょう。
  • 日ごろからバランスの良い食事を摂ることが重要です。
    体重が増えすぎると関節に負担がかかるので、体重の増加にご注意ください。
  • 手の関節に炎症がある時に重いものを持ったり、膝の関節に炎症がある時に正座をすることは避けましょう。
    関節になるべく負担がかからない動作を心がけるようにしてください。
  • 関節を冷やすことで痛み等の症状が強くなることがあります。夏でも冷房の風が直接当たるのを避けたり、冷房の効きすぎた環境は避けてください。
    長袖や長ズボン、ブランケットなどで関節とともに体全体を保温するとよいでしょう。
  • 服装は、脱ぎ着に無理のない衣服を、軽くて着脱しやすく、底が柔らかい靴を選ぶようにしてください。
  • 学校生活には積極的にご参加ください。
    病気のためにできること・できないこと、サポートが必要なことを主治医や学校の先生とよくご相談ください。
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