糖尿病の合併症を
予防するには?
03太い血管の合併症 大血管症
大血管症とは、心臓や脳などの太い血管が傷ついて起こる虚血性心疾患や脳梗塞、末梢動脈疾患(PAD)などをいいます。血糖値が高い状態が続くと、動脈硬化が進んでこれらの病気が起こりやすくなります。
糖尿病に合併する主な大血管症
虚血性心疾患
心臓に栄養を運ぶ冠動脈が狭くなると、運動時に胸が苦しくなったり痛くなったりする
「狭心症」に、冠動脈が詰まると「心筋梗塞」になります。
脳梗塞
脳に栄養を運ぶ血管が詰まると脳梗塞になります。
末梢動脈疾患(PAD)
足の筋肉に栄養を運ぶ血管が詰まると末梢動脈疾患(PAD)になることがあります。
虚血性心疾患
原因
心臓に栄養や酸素を運ぶ冠動脈が硬化して狭くなると、血液が流れにくくなり、狭心症が起こります。また、血液が流れないことで心臓の筋肉がダメージを受け、心筋梗塞を起こすこともあります。
症状
胸が締めつけられるような感覚や胸痛が特徴ですが、糖尿病自律神経障害を併発している場合、胸の痛みや違和感に気づかないことがあるので、定期的に心電図などの検査を受けるようにしましょう。

心筋梗塞では次のような症状も出ることがあります。
胸の圧迫感・吐き気・冷汗・呼吸困難
脳梗塞
原因
脳の血管が硬化して狭くなって、脳の血管が詰まって脳梗塞を起こします。
症状
起立・歩行障害や視覚障害のほか、体や顔の半分が動かなくなったり、しびれが残ったりします。また、言葉が出にくくなったり、会話がうまく理解できない状態になったりするほか、認知症の原因にもなります。

末梢動脈疾患(PAD)
原因
末梢血管が硬化して狭くなると、血流が悪くなり、酸素や栄養が足の先まで運ばれなくなることがあります。末梢動脈疾患(PAD)と呼ばれ、主に足に症状が出ます。
症状
足が冷たく感じたり、しびれたり、また、ある程度の距離を歩くと痛みが出たりします。進行するとじっとしていても痛みが出るようになり、足の細胞が死んでしまう(壊疽)こともあるので、足の状態をよく観察して、いつもと違う様子に気づいたら、早めの受診を心がけましょう。
気をつけること
